Galleria ASSISI
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No Man’s Land
人のいない地

2つの扉がある：１つは優美な装飾の彫刻が施され、施錠のための2つの鍵穴がある。もう一方の扉は、重厚な金属の金具がついているが、鍵穴のない四角張ったものである！

選ばれし者たちが天国の扉を手で開けると、天使たちに迎えられる。

地獄への扉の正面では、悪魔のような怪物たちが呪われた者たちを攻撃し、レビヤタン（巨大な海獣で悪の象徴）の広げられた口に投げ入れている。「冥府への大口は、喉を引っ張ると、計り知れないほど大きな口を開けた：気高さを下りて行き、暴徒の群と騒動を喚起する者たち」と、イサイア (5,14)は書いている。ここに、泥棒たちや嘘つきたちがいる（以下略）。

こん棒を振り回す怪物の鼻の下には、1人の人間が中心の柱から現れているようで、憐みの天使によって時間丁度に捕らえられ：「いと高き方よ、貴方の愛しみは大きく：貴方は、冥府の深き底から私の魂を救い出されます。」(詩編86, 13) 

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The Angels
天使たち

4：完全な数字

四角のような、または四方の4点

この他の4人の天使グループは、沢山の意味をもつ。天使の1人は命の書SIGNATUR（印されし者）を持ち上げており：それは成就、終了している。これは、黙示録（3,5;20,12,15）の引喩の１つである。その下の香炉が、光輪をもつキリストの足元にいる「ロウソクを支える天使たち」の聖餐式での役割として発展する。死に対する生命の勝利旗は、邪悪な人間性に顔を向け、火の剣と盾と対になっている：「天使たちは、悪人を善人と分けるために現れるであろう」と解読できる。（マタイ13,49）

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Lucifer and Spiritual Laxiness
ルシフェル（魔王サタンの異名）と精神的曖昧さ

アブラハムとは逆に：神に許されないことを恐れず信じる者は、闇の王子である。：彼は嘘つきの父で、不順と混沌の真只中に君臨し、愚弄の王座に怪奇に座る。

サタンは、顔がしかめ面で、目を膨らませ、髪は道化師に似てひだを付け、嘲るか非難するかのごとく犠牲者を拷問する方を指差している。手の後には、泥棒か守銭奴が罪に使用した体の部分を吊るし上げられ：誘惑するヘビに巻き付かれ捕まっている。

恐ろしいサタンにはヘビが足に巻き付き、悪魔の報告を寛大な様子で聴いており、爪のある足では火鉢の上に引き伸ばした男を押さえ掴んでいる。後方では、感情がなく、精神的曖昧さの具現化が認識される：魔法で誘惑するヒキガエルが足元にいる。

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The Condemned Monks
非難されし修道僧

僧院の屈服は、逆転して暴行を受けている。救世主キリストは彼の後方、天使の盾の反対側におられる。この修道僧は地面に倒れる自分の笏杖に寄り掛かり、彼の高慢のため、奇怪に歪んだ獣のような白痴の正面で、平伏すように強いられている。他の3人の修道僧たちもまた、悪魔の網に掛かっている。この場面では、偽の献身と聖職の偽善が非難されている。

ここに、クレルモンの司教と搾取で悪名高い3人の従兄弟たちを非難しているのか？または、フィジャック（町の名）のような競争相手の僧院の風刺なのか？

しかし、J-CLボンは、「タンパンは、各出来事のお話に関心を持っているのではなく、むしろ、善を持って悪しき修道院の政治に異を唱えているのである。」と書いている。（1）

（1）J-CLボン「ロマネスク美術の正面と側面、コンクのタンパン」シコモール出版　1984 

The Heretic
異教徒

異教徒は地面に落ち、口は潰され、手は閉ざされた本を持ち、もはや説教したり宣言したり、読み書きさえもできない。下では、悪魔が彼を刺して頭蓋骨を貪り食べている。それは、信愛を壊して「後でそれを刺す」というそれらの教義を図式化したものである。

右上の人物は、彼の持っている本以外を認識するのは難しいが、それ（本を持つこと）は全ての聖職者階級と宣教師の始祖の習慣である。それは、異教徒や宗派を参照するものであろう。：それらはヴァルド派から「月の誤り」やその他多くの者たちである。 

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The False Moneychanger
偽りの換金者

パリのシャロット宮のフランス記念碑博物館で、そのタンパンの複製がつくられたとき、偽りの換金者が持つ円筒のうちにCUNEUS（くさび）の詳細を発見して大変驚いたに違いない。それは、高価な金属を補償するためではあっても、お金を偽造するために使われている偽換金者のホールマーク（純分認証極印）である。

火で金属を溶かし、悪魔が今にも彼に寄り掛かって、髭を引張り頭を後ろに傾けさせ、我慢させようとしている。 

The Five Powers
5つの権力

王様は着る物もなく、旗を持つ天使の手で押し戻されるように立っている。彼の素性を認識させる王冠が、尊敬の念を貪り食う悪魔の口によって引張られているようである。

この破滅した王様は妬みに満ちており、執念深くカール大帝（前出参照P7）を指差している。

真ん中は教皇の三重冠を引き剥がされた人物なのか？

3番目の囚人は、領主を喚起する。聖フォワの奇跡の書に、領主ユグが僧院の地下室の扉を押そうとしたときに膝を脱臼したという話を参照し；それ故、膝を曲げる拷問を意味している！

皇帝、教皇、領主を見下ろし戦争する人物群は、暴力的な雰囲気を醸し出している。ペテロが剣を使って自分を守りたがった時にイエスが咎めた：「剣を引く者は全て剣で死ぬであろう」（マタイ26,52）の精神を際立たせている。 

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The Glutton
大食家（飽くことを知らぬ者、凝り屋）

 背教者たちは、審判を待つまで地獄へ投げ込まれることがある。（ニ ペテロ2,4）このような煉獄の下では、悪魔たちがしかめ面をする。彼らの筋肉や脇腹も平行にうねり、「ちょうど捻れた管のように、まるで生きながら皮を剥ぎ取られたような、解剖分析から模写されたかのようである。」（5）

彼らの2人が非難される者を滑車の助けで持ち上げており、それは余分に食べた物を吐き出したいかのようである。これは、七つの大罪の1つを引用したものである。非難される嘘つきや、貪欲と同様財産に強欲なことは、大罪リストに並ぶことであるとタンパンの描写により注意されているのが興味深い。

（5）ジャック・ブスケ「11・12世紀コンクの彫刻」リル大学論文1973

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The Musicians
音楽家たち

何も虐待されるものはない。調子が合っているか合っていないか、和音か不協和音か、真への歌と楽器演奏の両方が可能で、歓びと魂の浄化さえも与えてくれる。グレゴリオ聖歌、そして多音曲の経文歌が例である。

一方、酒飲み歌は、大酒飲みへと先導して堕落させるかもしれない：音楽と踊りがヘロデ王をとても魅了したので、サロメの要求に応じたのであると注意を呼びかけている：サロメは、洗礼者ヨハネの頭を強要した。

その結果、不幸な音楽家は、ハープを没収され舌を抜かれた：彼は、乱ちき酒宴や下品な風刺詩の伴奏者だったのかもしれない。

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The Poacher
密猟者

「地獄では、邪悪な者が怪奇な手から手へと渡り行く」これは、領内と修道院の規則を無視した不法狩猟者と密猟者とに当てはめ、狩猟したウサギによって焼肉にされている！石工は、そのような不敬な殺しに度々関わることを非難している。自然や生態学への敬意の欠如は、結果的に公然と非難されている。野ウサギの存在によって喚起される性的邪悪も同様である。「想像の月明りの同伴者たち」（「象徴辞典」 R. ラッフォン） 

Pride
高慢さ

この裕福な騎士は、「聖フォワ奇跡の書」の時代には人々に良く知られていた。レイノンは、ルエルグ地方のオーバン城領主で、間違った信仰のためいくつかの宗教を破門された。彼は、一度暴力的な宗教を取り入れようとした：「復讐を予告した時、最初に彼の馬は突然頭から汚れの中に落ちた。前に投げ出され、乗り手は首を折って死に、頭蓋骨は割れた」（6）富は、ここの甲冑に特に強調される。それは、武人にとっては貴重な所有物で、角をもつ動物40から60頭分にも値するものだった。この場面には、2つの解釈が許されている。1つは罰の解釈で、そのような富を羨んだり非難したりする全ての者が皮肉として楽しんだ。もう1つは、十二使徒のパウロになったサウロへ与えられたように、有益な警告を与えることである。マリアの賛歌の予言は、：「私の霊は、救世主である神を喜びたたえ、（中略）主はみ腕をもって力を示し、心の思い高ぶった人を追い散らし、権力ある者をその座から引きおろし、卑しい者を引き上げられた。」（ルカ1,47,51-52）と証明したのだった。

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The Lovers
恋人たち

この男と女の間には全てが繋がっている。彼らは並んで首をきつく締められ、男の手はまるで手錠を掛けられているかのようである。付け加えると、その髪型は誓願に不誠実であった修道僧を暗示しているのだろうか？彼は今、罪過連鎖の囚人である。：この後の言葉が受難をとても正確に表現している。恋人たちの心と心をお互い向い合わせる代わりに、彼らは救世主キリストの広げられた手と真実の愛からは遠く離れたところにおかれていると。 

The Miser
守銭奴

各者は、罪の犯し方に従って罰せられている。

つまり、それはこの守銭奴が全人生において崇拝したお金で絞め殺されていることである。「もっと、もっと、もっと」と1歳児のような情熱で、「賢者の石」を持って神話的な探求でもしているかのようである。：（「賢者の石とは」）現代の競争のような株式市場の思想である錬金術の探求！

しかし、人は主とお金に仕えることはできない（マタイ6,24）：結果、この男はヘビと関わって彼の「預金」と一緒に吊るされることとなった：袋には金貨や銀貨が詰まっていたが、使うことも共有することもなく、全て「錆びさせてしまった」（ヤコブの手紙5,3）

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The Scandalmonger
悪口屋

「偽りの道を私から遠ざけてください。」（詩編 118,29）

嘘、中傷、名誉棄損：少しのことだったとしても問題になる：ここで非難されるのは、言葉の悪用全てである。人の交流には、誠実な交流が可能で、対話と理解の機能をもっているのに、裏切られてきた。それは、生活環境の中では常に起きていることである。

聖ヤコブは手紙の中で、この小さなオルガンが、いかに誰も制することのできない火のようであるかを示されている。悪口屋の体を舐める炎は、それを表現しているのかもしれない。「信仰があると思う者も、舌を制することができなければ、自身を騙すことになる。」（ヤコブの手紙1,26）

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The Domineering and the Dominated
威張り散らすことと支配されること

対立は常に存在する：誰が誰を支配するのか？

ここで、男は上の女に両足を跨られている。しかし、この男も女も自由にはならない。各々が互いに束縛し合い、悪魔があらゆる方角から彼らを拷問し、気まぐれにバカにするだけである。

ここでは、日常数多くある場面が模倣され：「ズボンをはいている」ガミガミ女が牛耳り、寛大すぎているか安易に捉えすぎている夫は：背が低く、平和と調和の中での共同生活に成功しなかった夫婦間の明らかな不協和音である。

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The Gourmand
大食漢

ここの特徴は彼の大きなお腹で、受難の炎に１人突き出され、この分かり難い姿は、台所設備：つまり大釜か煮立ったシチュー鍋の中に頭から入っている。

この不正直な仕出屋は、（この地獄において）貧相な食事が盛大な祝宴に変更された時には、調理されるか焼肉にされるかとなり―上段の密猟者（前出参照P23）によって証明されるとおり、更に上段の大食家（前出参照P21）は、余分なものを吐き出している！過度の快楽3つの図解は、狩猟と食事とを連想させている。

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